【開催レポート】「生理は当事者だけのものではない」アスリートの視点から男女で学ぶ、北海道標津高校 全校生徒・教職員向け特別授業

2026年7月7日(火)、北海道標津郡にある北海道標津高等学校にて、OPT wagamama CARAVANを開催しました。

今回は、全校生徒約70名と全教職員の皆さんを対象に、株式会社wagamama共同代表の内山穂南と、元サッカー女子日本代表でwagamamaアスリートとして活動する松原有沙さんが特別授業を実施しました。

本レポートでは、参加した生徒や先生方の声を中心に、OPT wagamama CARAVANを通じて生まれた気づきをご紹介します。

 

生理を体験しない人にも知って欲しい。全校生徒・全教職員が特別授業に参加

今回の開催は、標津町スポーツ協会から、女性アスリートの健康課題を取り上げたセミナーをぜひ高校生にも学んでほしいと紹介いただいたことをきっかけに開催しました。
学校教育としても保健体育科の保健の授業の中で、「ライフステージごとの健康」という単元で生理について学びますが、教室での学びは「自分ごと」として向き合う学びとなりづらいという課題意識がありました。

生理は、実際に経験する人だけが知っていればよいものではありません。学校やスポーツの現場でともに過ごす人が身体の変化や困りごとについて知ることは、必要な声かけや配慮を考えることにもつながります。

そこで今回は、女子生徒や運動部の選手だけでなく、男女を問わず全校生徒と全教職員が参加する特別授業として実施しました。

授業では、生理に関する基礎知識や、生理前・生理中に起こる身体の変化、医療機関への相談を検討したい状態などについて、クイズやアスリートの経験を交えながら伝えました。

これまで生理について詳しく学ぶ機会が少なかった生徒からは、驚きや新たな発見の声が多く寄せられました。

 

生理対策はナプキン以外でも。自分に合う対処法を知る

授業では、OPTのプロダクトだけでなく、ナプキンやタンポン、月経カップ、吸水ショーツなど、さまざまな生理用品を紹介しました。

生理用品にはそれぞれ異なる特徴があり、身体の状態や運動の内容、生活に合わせて選ぶことができます。まずは選択肢を知り、自分に合うものを選ぶことの大切さを伝えました。

生徒からは、吸水ショーツなど、これまで知らなかった生理用品があることが印象に残ったという声が寄せられました。

 

初めて知る事実に驚きの声も。男女ともに生理を学ぶことの意義とは?

対話を促進する月経教育プログラムキット「wagamama talk box」を活用したワークでは、生徒が安心して話せる環境をつくるため、心理的安全性に配慮しながら、男女に分かれてグループに分かれて実施しました。

wagamama talk boxは、アスリートの実践知をもとに、生理とパフォーマンスに関する知識や対処法をクイズ形式で学びながら、自分や周囲の経験について対話を生み出すツールです。

生理を経験しない人も、生理中や生理前にどのような症状が起こるのかを知ることで、体調に悩む人への理解や配慮につなげることができます。

参加した女子生徒からは、次のような声が寄せられました。

「生理中や生理前に出る症状を知らない男性もいたり、生理の話をなかなかしないので、危険な状況だということに気づかない人もいると思っていました。生理の大変さや危険な状況をみんなで学ぶことができてよかったと思いました。」

「今までは生理は女性だけが学べばよいことだったけれど、男性の悩みも女性の悩みもどちらも学ぶ機会があってもいいと思いました。自分のことだけでなく、異性の悩みも知っておくことで、相手を理解し、寄り添うことができると思いました。」

また、男子生徒からも、授業を通じて初めて知ったことや、男女で学ぶ意義について声が寄せられました。運動中に生理用品がずれたり、落ちたりすることがあると初めて知り、衝撃を受けたようです。

身体に関する悩みは、本人だけの問題ではありません。

周囲が正しい知識を持つことで、不調時に休めずパフォーマンスが落ちる状況を防いだり、体調不良時にヘルプを出しやすくなり、、誰もが安心して学校生活やスポーツに取り組める環境に近づけることができます。

 

生理をパフォーマンス視点で考える―アスリートの経験から学んだこと

今回の授業では、wagamama代表の内山とwagamamaアスリート松原さんが、プロ選手として経験してきた身体の変化や、生理と競技パフォーマンスとの関係について、自身の経験を元に伝えました。

「『生理について学ぶ』と聞くと、自分には関係がない、難しそうだと感じる人もいるかもしれません。
しかし、『試合で力を発揮するためには何が必要か』自分やチームメイトがよい状態で競技に臨むにはどうすればよいか』というパフォーマンスの視点から考えることで、性別や競技経験にかかわらず、身体のコンディションを身近な問題として捉えることができます。」

実際に、生徒からは「プロ選手でも生理に悩むことがあると知って驚いた」「人によって痛みや症状が違うことが分かった」といった声が寄せられました。



生徒の健康とパフォーマンスを守るために。教職員も共に学ぶ

今回は、全教職員の皆さんにも授業へ参加いただきました。先生からは、次のような感想が寄せられています。

「男子生徒はもとより、男性教職員が生理について知ることで、女子生徒への対応や配慮が変わってくると感じました。今回は全教職員が参加していたので、男性教職員も学ぶことができて大変貴重な機会だと感じました。
また、講師の話し方も丁寧で聞きやすく、授業の構成も工夫してくださって、生徒はあっという間の1時間に感じたようでした。私自身も大変勉強になりました。」

体調に不安を抱えた生徒が安心して相談するためには、生徒だけでなく、相談を受ける立場にある先生が知識を持つことも欠かせません。

教職員が生理や身体の変化について理解することで、生徒の変化に気づきやすくなり、休養や保健室の利用、医療機関への相談など、必要なサポートにつなげることができます。

学校全体で学ぶことは、個人の知識を増やすだけでなく、生徒が身体の悩みを一人で抱え込まなくてよい環境をつくることにもつながります。

福井校長からのコメント

福井校長からは、特別授業を追え、次のようなコメントをいただきました。

「タブー視されやすい題材とは思いますが、爽やかに、誠実に、率直に講師の方達に伝えていただいたことで、生徒達も時間を経るにつれて少しずつ心を開いていったことは私たち教職員にとっても衝撃的でした。授業の最初に『最初から無理だと思ってあきらめたくない』という企業理念のお話もありましたが、その『思い』も、きっと生徒たちにとって強いメッセージとなったはずです。
本校の校訓の一つに『仁愛恭倹(じんあいきょうけん)』という、他者への慈しみと敬意を大切にするというものがあります。今回の内容は、まさに本校の理念とも一致した内容でした。 」

 

一人ひとりの体の声に寄り添い、誰もが「我がままに」輝ける環境づくりへ

今回のOPT wagamama CARAVANは、生理を経験する人にとっては、悩みを抱えているのは自分だけではないと知り、つらさを我慢せず、自分に合った対処法や選択肢を考える時間になりました。
一方、生理を経験しない人にとっても、身近な人が抱えている困りごとを知り、どのように理解し、寄り添うことができるのかを考えるきっかけになりました。

生理や身体に関する悩みは、本人だけで抱えて自身で解決しなければならないものではありません。周囲が知識を持ち、安心して話せる関係や環境があることで、一人ひとりが無理をせず、自分らしく、我がままに学校生活やスポーツに取り組むことにつながります。

また、生徒だけでなく、日頃から生徒を支える教職員の皆さんにもご参加いただいたことで、学校全体で共通の知識を持ち、必要な声かけやサポートについて考える機会となりました。

OPT wagamama CARAVANは今後も、教育現場や自治体、チームと連携をしながら、一人ひとりが身体の悩みを抱え込むことなく、自分らしく力を発揮できる環境づくりに取り組んでいきます。
今回の授業が、自分の身体の声に耳を傾けること、そして周囲の人の身体や悩みを想像することの大切さに気づく一歩となれば幸いです。

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